はみだしもの雑記〈やわらぎ 〉

迷惑かけたらごめんなさい。

捌けた音と癒着する音

「いにしえの身体と造化の技」の続きになると思うのだけど、今回は音楽的に観た身体について、少し書いておこうと思います。 ある人が「なんで悪い事してないのに、こんな身体があちこち痛くなるの!」とぼやいていました。 「痛みの原因が知りたいって言う…

音声配列

言葉の研究は古今東西いろいろとあるけれど、発声の仕方と語彙の並びとの関係に言及するものは少ない。 例えば発語に関しても顔で発声する人、胸で発声する人、腹で発声する人、それから身体の内側に向けて発声する人、外だけが発声する人といろいろなタイプ…

静寂の力関係

この世界に最初に鳴り始めた音は今も聴こえているのかも知れない。 身体の奥底の方で。 と、たまに耳を澄まして観る。 十二畳の部屋の壁から向かいの窓にいる蚊の羽音がはっきり聴こえていた頃、音楽が聴けなくなり長い間興味がなかった。。。実は。 その理…

複雑な立ち位置〈整体の話し〉

この前も親戚に「腰が痛くて整体に通っているんだけど、良い整体師知らない?」と聞かれ、「整体師の事はよくわからない」と答えた。笑)この質問にはいくぶん悪意がある。 彼らが言う「整体師」はカイロプラクターか、マッサージを指しているのだろう。 今…

変えたい常識

この子は何も問題無く出産するだろうと思っていた子が、最後の最後、子宮口が開いた途端に止まってしまったと言う出来事があったのだけど、その後で「君は自分が生まれた時は自然出産だったのか?」と聞いたら促進剤を使ったらしいと言う。 あーそうだったの…

いにしえの身体と、造化の技

葛飾北斎の生誕二百六十年に作られた舞台芸術作品のドキュメンタリーがあった。 ドキュメンタリーの中で小布施の北斎館に展示されている「富士越龍」を観に行くシーンがある。 そこでの解釈はともかくとして、この最晩年に描かれた有名な掛け軸は、その北斎…

天路の旅人

沢木幸太郎を読むのは「深夜特急」以来だと思うのだけど、この「天路の旅人」を執筆し始めたのは沢木さん五十歳の頃からになるのかな?足掛け二十五年掛かりとある。 ベースになったのは「秘境西域8年の潜行」と言う、西川一三が戦時下の満州及び内蒙古から…

日常的非日常

身体は我々の意識しないところで、忙しなく変化し続けているし、環境や気候、場所、時間にも応じて変化しているのだから、人間同士の関係や衣食住の一つ一つに受動的な変化をするのはごく自然な事だろう。例えば、世の中的に大きな変化がある前に、身体の方…

風邪の季節

この時期、風邪をひく人は多い。 風邪をひく事によって、季節の変化に追いつこうとするからだ、と考える事が一般にも広まれば、ウィルスだけを悪者にするよりも世の中だいぶん明るくなる気がする。 身体は一年を通して目まぐるしく変化していく。そこには焦…

実在しない現象の身体へ 3

意識にとって身体は死体であり、マリオネットの様に見える。 その意識も実体ではなく、現象に過ぎない。 武術的な事から離れて随分経つからかも知れませんが、前回書いたようなパンチの話や、重心云々はどうでもいい話で、それらは実際ある意味近代社会、近…

実在しない現象の身体へ 2

今回は日常の中心軸と言う事で考えてみたいと思います。 例えば中心軸と脱力に関して、武道系のよくあるパフォーマンスに、立位の人が脱力すると重くて持ち上がらなくなる、と言うものがある。 これには幾通りかのやり方があるのだけど、例えば仙骨の先端を…

アニミズムの〈へそ〉

非自己化、己を消すと言う事を、もう少し付け加えると、身体と言うのは「私」にとっては他者なんです。 難しいかも知れませんが、でもみんな無自覚にそう観ています。 だから、平気でいろんな薬を打てるし、切ったり貼ったり整形したり出来てるわけです。 で…

信仰の風俗と近代政治の詐術

なんか最近カオスですよね。 災害は続くし、政治も経済も問題だらけだし、撃たれた安倍さんに同情する気持ちが無いわけではないけど、そのうち政界がカルトとの関係を上手くあやふやにするであろう事を考えると、バカバカしい。 カルトといっても、いろいろ…

お肌の潤いと梅雨と幽霊

今朝は足首が小雨混じりの空気の匂いを感じとっていて、いつの記憶だろうかと浮かび上がるのを待っている。 子供の時分、母方の祖母が立つ台所に座っていた時。それから小学校の校庭を歩いていた時の空気。 思い出す記憶は何故かひとりぼっちで雨の匂いがす…

『毒解』( ´Д`)y━・~~ 

先日、一歳半の子供を連れたお母さんに母子手帳を見せてもらって驚きました。 身長、体重の記載欄は以前からあったから分かるけど、成長曲線や、ワクチン接種履歴、検診証明など、僕が見たことのあるものより厚い一冊になっている。 これを渡されたお母さん…

才と人の間

先日うちに来た友人が、棚に置いてあった僕の作った茶碗を取り出して、これいいね、感覚がピッタリ止まる、他の茶碗はないの? と言うから、最近の作家が作った茶碗をいくつか並べた。 良い茶碗は高くて買えないけど、量産品よりは自分が作った方がマシなん…

表拍と裏拍、音程

年末から拍感とリズムの問題が物議?を醸していて、わかってる人には何でもない事なんだけど、結構言葉の観念によって混乱する代表なんじゃないだろうかと思ってます。 拍とリズムは別ものです。 今回は少し拍について抑えておきたいんですが、拍には表と裏…

生命を科学する絶望

ジャーナリスト須田桃子の「合成生物学の衝撃」の単行本が書店に並んだのは六月の事。 本棚を整理していたら、突っ込んであったのが見つかった。内容は2年以上が既に経っている情報で、この分野は進展が早いから少し古いと思われる。。 合成生物学と言うと、…

ものと生きものの続き

ウィルスもワクチンも物の側から見た方法の産物ですが、インフルエンザみたいに毎年予防接種するものにしたいのですかね?そろそろインフルワクチンも、市場としては誤魔化しが効かなくなってきましたしね。 現在のような薬物時代を作り出したのは簡単に言え…

自然界と意識・・続編4

例えばオーディオマニアが求めているのは、名手の生演奏を自室に持ち込む事です。 レコードがコンパクトなCDになって以降、高音質なものも発売されましたが、結局最近ではレコードに人気が戻りつつあるように、CD以降、何処か音楽に嘘が混じる様になってきま…

自然界と意識・・続編3

前回は二つの芒星の基本的な使い方を紹介しましたが、幾何学図形の運動系に対する性質の一部を御理解頂けたでしょうか? これを応用すると更に面白い事を発見するのですが、例えば今皆さんマスクをしていますけど、少し息が苦しいですね。それは鼻が縦の距離…

自然界と意識の働き・続編2

手軽な実験から紹介したいと思います。 呼吸を形として抽象化にあてはめると、二つの星形に抽象化できます。 この二つを針金でメビウス状に組んで作ります。 普通に呼吸をインプットアウトプットに考えるのは短絡的な捉え方なのかもしれない、と言うのは、同…

横と縦

最近古文漢文不要論てのが話題になっていましたけど、古典を読むって事は表現力、思考力、音感、それから息使いそのものですから、現代文とか実用とかより遥かに人間として大事な部分を担ってますよね? 確かに僕なんかも足りない人間ですけど、足りない事が…

武満徹と技術化の試み

武満徹のエッセイにこんな一文があります。 「音はたんに機能としてあるのではない。世界では、生きるものの全てに固有の周期(運動)がある。目にみえるものと、見えないものと。音もそうだ。音の一つ一つに生物の細胞のような美しい形態と秩序があり、音は…

お知らせ

教室お知らせ 2月20日 3月20日 桜丘区民センター 9時30分から12時 已む無くiPadを買って、せっかくだから一月の太極拳教室を文章化してみました。 ネットでは流すのを禁じられている内容が含まれていたので、さてどうしよう・・・ と、考えているところです…

身体と運動の哲学・・七

四に書いた一呼吸30分の話しですが、上手くやれば出来ない事はないですねぇ。。 先程やってみたのは、呼吸じゃなく「呼」だけですが、これは一呼30分近い長さになるんですね。 これは観ることでおこるんですが、この話しも何本か前に消える呼吸として書いて…

身体と運動の哲学・・五

人間が人間の作ったものを味わうのは、ホモ・サピエンス特有の楽しみ。 我々が美術館やコンサートや料理屋に足を運んで、他者の作ったものをわざわざ体験しに行くのは、そこで自分の日常にない体験が出来るから。 だけど、この日常にない体験てなんだ?って…

運動する身体の哲学・・四

一般通常の意識、個物としての意思的運動は、世界の自己形成作用に参加する「自覚」の自己決定的な射影点と言う見方ができる。その世界とは生命圏のホメオスタシスを指すとして、我々の何処にその繋がりを観ることが出来るのか?と言う非思考的問題になって…

運動する身体の哲学・・参

久しぶりに午前中太陽の光を浴びようと、梅ヶ丘の公園に行きました。 最近公園でのんびりする事はなかったので、久しぶりに日光浴です。 太陽の光が身体に当たるところは、光が染み込みます。それがどんどん拡大していきますが、その一部に黒い陰りが出来ま…

運動する身体の哲学・・弐

歴史が始まるのは農耕社会の発生からですが、それは同時に恐怖心の作り出す物語でもありました。 恐怖も正体を知れば怖くない。。はず!と、科学は発達してきましたが、今ほど恐怖が一人歩きした事は人類の歴史上なかったでしょう。 もちろんそのベースは科…