はみだしもの雑記〈やわらぎ 〉

迷惑かけたらごめんなさい。

運動法・・その四(太極拳教室から)

新年早々の教室。

今日は寒い中、お休みが多かったので少し難しい基本功(運動)をお題としました。
まず、踵の運動を指先まで伝える基本功で、手は縦に円を描くけど見た目は立体になる運動です。

身体運動にはいくつものセオリーがあります。
そのセオリーは太極拳だからとか、ダンスだから整体だからと目的によって変わるわけではありません。
例えば上半身の運動を取り上げると、脇が開かないといけません。肩先の一点が下りて肘と手首の一点に運動が連続する条件を作ります。
お正月前後に腕を通して肩甲骨と胸の開き、尾骨などで滞らないようにしておきます。
踵から腰に運動が上がって来た時点で脇が開き始めます。
この脇の開きもその連動先の手首(小指と人差し指の切り替え)の締めも一切緩まないまま次に周回します。
その連動は腹で行い、胸でコントロールしています。
腕を使う運動だと腕自体のメカニズムに目が行きがちですが、全体の連動の中で見て行くと、腰の粘りや足の運動の例えば足踝の東西南北何処から支えるかで大分変わります。
それを手まで伝える為には股はどうすれば良いか腰はどうすれば良いのか、腰や胸はどうすれば良いのか、自ずと分かります。
自ずとわかる為に何を言葉にするかを選びます。
手先の道具に力を伝えて自由を確保した運動を行う為には、踵の連動を覚えれば八割は出来たようなものですが、もう一つ深い世界にレベルを変えると、全く別の膨大なセオリーで運動しています。
その前に、少し難しかったようですが連動自体のレベルを上げるコツの一つ「身体の吊り」(作ると探す)を紹介しました。
最近ボーイングで手首が話題になる事が多い、と言うか手首まで来たと言うか。
連動はそのままだと、ひたすらダイナミックで大雑把になって行きます。
だけど腕の中はそんなに単純に運動してはいません。
右手のアップダウンの中で腕にいくつの切り替えが行われているかを見てもわかります。
特に手首はいろいろと重要です。
「座ったまま身体を使える為にはどうすればいいんですか?」と言う質問の答えも同じで、方法はいくつかあるけど、吊り自体を覚えるのが良いでしょう。
手首の中に垂直状態を作り出して仕舞えば、弓の接点も切り替えの返しも、瞬発力と弾力を持てます。
こうしたコツに一番大事なのは、道具なり相手なりとの関係が操ったり操られたりではなくなるところにあるでしょう。
その他、人数が少なかったので歩行や居着かない条件など盛りだくさんになってしまいました。
多分頭の中では収集がつかないかもしれませんが、それぞれに出来たことを続けてもらえれば良いでしょう。

部分はいつも全体の中にあります。
腕の動かし方を学ぶのに、腕の部分が変わる運動はどんな全体運動かを工夫してみることが必要です。
早く動く為には距離を短くすれば良いし、長くすれば大きな力が伝わりますが、全ての運動に於いて筋肉の収縮は結果の一部であり、動機にはなりません。
このような運動の目的は本来一致しない意識と内的感覚が身体のコツとして働くように訓練することに位置付けられ、その感覚は心的世界に伝わります。
感覚の経験質量により身体の認識は変わる。変わる事でブロックに変化が起きる。ブロックが変化すると内的な観察力が増す。
そもそもの心的な種子は感覚に出会う身体の経験を求めています。
で、まぁこれはよく分からないけど、いつの記憶か宣言され忘れられて潜在化した要求が種子になっているのではないかと。
それで願望を早めに実現する方法もあるし、実現を無効にする方法も出来る。

想像も意識の判断が導く結末もいつも実際とは違います。そこに身体が介在し、無意識下の働きもあれば、自分を騙すことで生き延びる面もあるから。
でも実際は観るまで発見されないリアリティだから、自分の身体に教えてもらうしかありません。


実はそろそろ止めようかと思ったりしていたのですが、しばらくは月一度にいたします。
では来月は24日に。



追記
断糖するとどうなるのですか?
と言う話ですが、もう少し詳しく書いておきます。
この時期、身体が暖かい季節に向けて、骨盤が柔らかくなり始めます。
断糖の判断は腹の虚、冲、実が正常な配役をこなせなくなるなる日から始まります。
この虚実が正常でないと、例えば病気になった時になかなか回復しません。普段の生活の中でもものの良し悪しが微妙な鈍さで分からなくなったりします。
よく「力を入れろ」と言われると抜けて、「抜いて」と言われると入っちゃう人がいます。
念のために言っときますけど、そう言う人の為に書いてるんです!
そもそも身体の要求には無意識を含めて自然なものと不自然なものがありますから、それを整理するのは大変です。
腹は感受性の中心ですから、ご自身の感受性を信頼できるものに保つことが、特に「好き嫌い」で物事を判断する方には必要です。
断糖が常識になると、少しは世の中もまともになるかもしれませんね。

この断糖はD先生が見つけられたものですが、身体がスムーズに季節の変化に対応していると、その変化を利用して身体を整える事が出来ると言う整体技術の一面です。
ちなみに中華は大丈夫と言う人がいましたが、ダメです。外食で安全なのはまともなイタリアンくらいで、それもファミレス的なのはダメ。味の素や下味に砂糖を使っている唐揚げみたいなものや、アルコールも不可です。
きっちりやれば二週間くらいで終わりますが、サツマイモや果物を食べているとなかなか終わりません。
気をつけてください。