はみだしもの雑記〈やわらぎ 〉

迷惑かけたらごめんなさい。

道真の梅

以前部屋に掛けてあった書「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主あらしき春を尊ぶ」は勿論道真公の「春な忘れそ」の替歌なのだけど、詩作の世界に疎い僕にはどうもよくわからなかった。
作者は身延山のさる高僧によるもので、身延山と言えば日蓮
日蓮身延山清和源氏の何某からか贈られたのが、流刑地から帰り立正安国論を書いて蒙古襲来を予言した頃の事。

「東風吹かば・・」は道真公が太宰府に流刑同然な左遷をされた時に作った詩として有名ですが、このやまとうたの秀作を何故に「春を尊ぶ」にしたのか?
ずーっと気になっていたのだけど、
この前本屋でふと目に止まった「時平の桜、菅公の梅」奥山景布子を読んであー時平からの視点ならありなのか。。
と妙に説得力ある作品でした。

身延山と時平の墓、京都の宇治陵は天台の管轄だからあまり関係ないかもしれないけれど、左遷から二年でこの世を去って後祟りを恐れられ天神に祭り上げられた道真公を慰めるには、成る程神霊の書であったろうなと。